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Barudan Mark 8トリマーの基礎理解
Mark 8は、トリマー機構が“縫製腕(ソーイングアーム)側”に直付けされています。これはMark 5/7の“プレート下側”に付く方式と大きく異なります。結果、カバー内部の狭いポケット領域に切り糸が溜まりやすく、定期的な清掃が不可欠です。

Mark 8が従来機と違う点
- 取り付け位置:縫製腕側(Mark 5/7はプレート下)
- 動作方向:Mark 8は内側へ引き込んでから戻りつつトリム(Mark 5/7は外へ押し出す)
- 清掃アクセス:カバーを外すと刃元とポケットに直接アクセス可能(ただし糸が奥に蓄積しがち)
注意:動画では具体的な型番・部品番号やトルク値などの詳細は示されていません。記載がない事項は推測せず、現物の仕様に従ってください。
定期清掃が必須な理由
- 糸詰まりによる“無トリム(糸が切れない)”の発生
- ボビン糸が切れず、製品を外す際に引き連れてしまう
- 詰まりがひどいと、刃が完全に閉じきれずトリマーを押し出して“位置ズレ”が発生
- 位置ズレ後は清掃だけでは治らず、後段の調整作業が必要になる場合あり(動画では別動画で扱う旨)
プロのコツ:清掃は“軽度のうちに”行うほど効果的。月1〜2回を目安に、使用量が多い時期は頻度を上げましょう。実務では、週次点検リストに“トリマー清掃”を入れてルーチン化するだけでも、仕上がりと稼働率が安定します。
ステップバイステップ:トリマー清掃の全手順
以下は動画の手順をそのまま再現しています。特殊工具は不要です。
アクセスの確保:カバーの取り外し
1. Kシリーズでは、カバー固定ネジは“側面”にあります(Mark 5は上面)。位置を確認。

2. ドライバーでネジを外し、トリマーカバーを慎重に外します。

- 露出したトリマー周りに溜まった目立つ糸くずを確認。
クイックチェック:ネジの位置は機種で異なる場合がありますが、動画ではKシリーズで“側面”固定を明示。迷ったら側面を最初に確認しましょう。なお、清掃の必要頻度は使用状況に依存します。
注意:この段階では電源操作は不要ですが、手元の安全のため、マシンの動作を伴う“スタート”系操作は行わないでください。barudan 刺繍ミシン 刺繍枠を装着したままでも清掃自体は可能ですが、作業空間が狭い場合は外して安全側で進めましょう。
開刃:コントロールパネルで安全に刃を開く
1. コントロールパネルで“Trim(トリム)”を押す。

2. 通常のスタート(D14)ではなく、画面左下の“Clean(クリーン)”を押す。刃(ムーバブルナイフ)が“開いた状態”になります。

3. 開状態を目視確認。

プロのコツ:Cleanを再度押すと刃は閉じます。操作は“Trim→Clean”の順。D14(スタート)と混同しないように。barudan 刺繍枠の有無にかかわらず、開刃状態での清掃が最も効率的です。
実践クリーニング:糸くずの徹底除去
まずは目視できる糸くずを払う
- ブラシで露出部の糸くずを手早く払い出します。

- 清掃の目的は“ポケット奥の糸溜まり”まで含めた根こそぎ除去。表層だけで満足しないこと。barudan 磁気 刺繍枠を使った大物生地でも、切り糸の溜まり方は同様に発生します。
刃を開いたまま奥まで掻き出す
- 開刃状態のまま、刃元と周辺ポケットの奥へブラシを差し込み、溜まった切り糸を徹底的に取り除きます。

- 取り除いた糸はまとまった“塊”になることが多く、量の目安にもなります。

- Mark 8は“内側へ引き込んで戻りながらトリム”するため、糸が奥側に堆積しやすい構造です。

- 複数ヘッド機では、すべてのヘッドで同様の作業を繰り返します。

クイックチェック:
- ポケット奥の“取り残しゼロ”が合格ライン。ライトで照らし、奥まですっきり見えるか確認。
- 刃の可動に引っ掛かりがないか、手元の操作で開閉を再確認するのも有効です。
注意:ここで糸くずが残ると“刃が閉じきらない”→“無トリム”の連鎖に直結。最悪の場合は、詰まりが刃を押し出し“位置ズレ”を誘発します。これは清掃だけでは回復しないケースがあるため、未然防止が最善策です。barudan magnetic フレームなどフレーム構成の違いはあっても、清掃の重要度は変わりません。
復旧と最終チェック
刃を閉じる
- パネルで“Clean”をもう一度押して刃を閉じます。

- 閉位置を目視確認し、可動に違和感がないかをチェック。
スロートプレートを取り付ける
- スロートプレートを合わせ、右側のネジ→左側のネジの順で取り付けます(動画の実演どおり)。

- カバーを確実に固定し、段差や浮きがないか確認。

- 複数ヘッド機は全ヘッドで同様に復旧します。

プロのコツ:復旧直後に試し縫いをする場合でも、トリマーへの“注油は不要”。動画でもオイルは不要であると明言されています。
注意:開刃のまま復旧しないこと。刃が露出したままでは、次の動作で思わぬ干渉を招く可能性があります。mighty hoops for barudanを使って厚物を扱う際も、復旧の順序と確認を習慣化しましょう。
清掃を怠ったときに起こるトラブル
- 無トリム:トリム動作後も上糸/下糸がつながったまま。
- ボビン糸が切れず、製品を外すときに引き連れが発生。
- 刃が閉まり切らず、詰まりがトリマーを押して“休止位置”から外れる(位置ズレ)。
- 位置ズレ後は、背面側のスレッドドライビングレバーを緩めて再設定する工程が必要になる場合がある(本件は動画では別動画で解説予定と発言)。
クイックチェック:仕上がりで“糸の長い繋がり”や“ボビン糸の残り”を見つけたら、まず清掃状態を疑いましょう。調整に踏み込む前に、清掃→開閉確認→再試験の順で切り分けるのが近道です。barudan mighty hoopsなどフレーム周辺を疑う前に、まずトリマーの健康診断を。
頻度とベストプラクティス
- 推奨頻度:月1回(使用頻度によっては月2回)。“使い倒した月ほど頻度を上げる”が合言葉。
- 時間目安:1ヘッドあたり約5分(動画のコメントに基づくおおよその印象)。
- ルーチン化:月初や大量生産前日に“トリマー清掃”を固定タスク化。
- 記録:清掃日と症状(もしあれば)を簡単にメモ。傾向把握と予防保全に有効。
注意:動画では特定のオイルや溶剤使用は一切触れられていません。自己判断での薬剤使用は避け、ブラシによるドライクリーニングに徹してください。mighty hoops barudanなど強力な保持力を持つフレームを使用する案件でも、トリマー清掃の基本は変わりません。
コメントから: “この手の実務動画をもっと見たい”という声に対し、制作者は“忙しさと家庭のバランスを取りつつ、順次公開予定”と回答。ニーズの高いテーマから優先的に発信されるとのこと。継続的な情報収集のためにも、最新動画のチェックをお忘れなく。
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FAQ(要点抄訳) Q. どれくらいの頻度で清掃すべき? A. 月1回、使用状況が重い場合は月2回が目安。
Q. 必要な工具は? A. ドライバー(カバーのネジ外し用)とブラシ(切り糸除去用)。
Q. オイルは必要? A. 不要です。
Q. 刃はどうやって開く? A. パネルで“Trim”→“Clean(左下)”を押すと開く。もう一度“Clean”で閉じる。
トラブル対応の基本フロー 1) 清掃(特にポケット奥)→ 2) 開閉確認 → 3) 試し縫い → 4) 依然不調なら調整工程の検討(位置ズレ等)。
最後に:Mark 8の良さは“手が届く構造”にあります。だからこそ、溜め込まず、短時間の清掃をこまめに。今日の5分が、明日の無駄な段取り替えやクレーム対応を確実に減らします。barudan 磁気 刺繍枠や他フレーム環境でも、まずはこの基本動作から始めましょう。
