目次
190+フォントで広がるレタリング表現
BES® Embroidery Lettering Software 3(BES 3)は、文字刺繍の自由度を上げつつ、レイアウト作業を短縮し、実機での「やり直し」を減らすことを狙ったソフトです。動画では、(1) フォント/内蔵デザインの充実、(2) アート寄りの文字効果、(3) 手作業を減らす編集・最適化機能、の3点が大きなポイントとして紹介されています。
小規模工房や受注制作で「仕事として回す」場合、価値は単なる「フォント数」ではありません。画面上での見た目を、縫製で再現できる形に整え、ほどき・再枠張り・再試縫いの回数を減らせるかが本質です。

このガイドで身につくこと
本記事を読み終えると、次ができるようになります。
- BES 3 の配置ツール(Arrange on Path/Circle/Corner)で、バランスの良いレイアウトを素早く作る
- Step Text/Spiral Text を使って、装飾的な文字配置を作る
- デザイン画面上で、文字をマルチカラー化して管理する
- text connectors を使って、モノグラムを手早く組む
- そのまま使うべきデータ/Convert to Outlines で「踏み込んで編集」すべきデータを判断する
ツール解説に入る前に重要な前提をひとつ。ソフト上で完璧に見えても、刺繍は「布・テンション・スタビライザー・枠張り」という物理条件で結果が変わります。すでに 刺繍ミシン 用 枠入れ の段取りを意識している方は、以下のソフト操作を「設計図づくり」と捉え、最後は必ずテスト縫いで検証してください。

文字効果:Step Text と Spiral Text
動画では、Text メニュー内のプリセット文字配置として次の2つが紹介されています。
- Step Text:文字を階段状にずらして配置
- Spiral Text:単語(例では「Happy Birthday」)を渦巻き状に巻く
ギフト用途、キッズ向け、モノグラムなど「可愛さ」や装飾性が求められる案件で使いどころがあります。
チェックポイント(なぜ重要か): こうした装飾配置は、直線基準の文字よりも押し引き(プッシュ/プル)の影響が出やすくなります。特に渦巻きは縫い方向が連続して変わるため、中心部にシワや波打ちが出やすい傾向があります。
感覚チェック: Spiral 系のテスト縫いでは、縫製中に枠内の布が中央へ向かって「波」や「ふくらみ」を作っていないか観察します。発生する場合は、スタビライザーが弱い/枠張りが甘い可能性が高いです。枠内は基本的に、太鼓の皮のようにフラットで張っている状態を目標にします。

手動の区切りなしでマルチカラー文字
動画では、文字を1文字ずつ別色にしても、手動で区切りを入れる操作(チルダキーでの手作業)をせずに、色変更に合わせてソフト側が自動で区切りを入れる流れが示されています。
現場メリット: ベビー服の名入れ、チームアイテム、小ロットのパーソナライズでは「細かい編集時間」が積み上がります。ここが自動化されると、データ作成時間が読みやすくなり、見積もりや納期のブレも抑えやすくなります。

text connectors でモノグラムを素早く組む
Brother は text connectors を使ったモノグラム作成も強調しています。
現場のコツ(品質): コネクターは布厚と相性が出ます。薄物に対して密度や下縫い(アンダーレイ)が強すぎるとツレやすく、逆にパイルやフリースのような嵩高素材では弱い設定だと沈みやすくなります。迷ったら、後述の Convert to Outlines で「下縫い種類/密度」を触れる状態にして、テスト縫い前提で調整するのが安全です。

生産性を上げる:Color Sort と Remove Overlaps
ここからが、BES 3 が「実際の分数」で効いてくる領域です。同じロゴを繰り返す案件や、複数枚の受注で差が出ます。
Color Sort:糸替えを減らして縫い時間を短縮
動画では Color Sort を「時間短縮になる」と説明しています。ワンクリックで同色をまとめ、糸替え回数を減らし、縫製時間を短くします。
現場目線: 糸替えは単に面倒なだけではありません。
- 交換のたびに手が止まり、段取り時間が増える(糸切り・糸掛け・確認)
- 停止/再開が増えるほど、下糸側の絡み(いわゆる鳥の巣)などのリスクが上がる
- 多針刺繍機でも、無駄な色順は結局「止まる回数」と「確認回数」を増やす
趣味ペースから「回す」ペースへ上げたい場合、Color Sort は投資ゼロでスループットを上げやすい機能です。

Remove Overlaps:厚みを減らし、硬い仕上がりを防ぐ
動画では、重なったデザインを右クリックして Remove Overlapped Stitches を実行し、クリアランス距離を設定(手順説明では 1.0 mm)して、上に隠れる下側の針数を削減する流れが示されています。
重なりが問題になる理由(現象):
- 針の逃げ(針曲がり):糸の壁に当たり、針が負けやすい
- 糸切れ:摩擦が増え、上糸が切れやすい
- 硬い仕上がり:面が板状になり、着用感が悪くなる
チェックポイント: Remove Overlaps 実行後は、画面を拡大して(目安として 200%)エッジの被覆が足りなくなっていないか確認します。自動処理は強力ですが、最終的に「必要な針」まで消していないかは人の目で検品するのが前提です。

注意: 機械的な安全リスク。 重なりを減らして針数が減ったからといって、密集部で無理に高速運転したり、摩耗した針で押し切ったりしないでください。針折れは実際に起こり、破片が飛ぶ危険があります。保護メガネの着用、可動部付近でのハサミ類の取り回し、そして安全な運転速度は必ず機種マニュアルに従ってください(密集部は 600〜800 SPM 程度が目安として語られることが多いですが、最終判断は機械仕様に従います)。
Convert to Outlines:縫い設定を「触れる」状態にする
動画では、一般的な刺繍データ(.PES)を開く際に Convert to outlines にチェックを入れ、Properties(プロパティ)を有効化して、通常は固定されがちな縫い情報(下縫い種類や密度など)を編集できるようにする流れが示されています。
動画内のプロパティ例では、次の数値が表示されています。
- Underlay Density:2.0 mm
- Stitch Length:2.5 mm
また、下縫い(アンダーレイ)の種類を切り替える例(Net から Zig-zag など)が示されています。
Convert to Outlines を使うべき場面:
- タオルなどで沈みが出る(下縫いを強めたい)
- 伸縮素材で安定しない(下縫いの種類や密度を見直したい)
- ソフト内蔵以外のデザインで、縫いタイプ/スタイルを調整したい
最初からここに入らない方がよい場面:
- 縫い設定の編集に慣れておらず、テスト計画がない
- すでに安定してきれいに縫えているデータを、理由なく触る
運用の基本として、元データは必ず残し、編集版は分かるファイル名で別保存します(例:Logo_v2_OUTLINE_EDIT.pes)。

Power Copy と Ghost Mode:編集スピードと視認性
動画では、編集作業を助ける2つの機能が紹介されています。
- Power Copy:コピー/回転/拡大縮小を一括で行える
- Ghost Mode:非アクティブ要素を半透明グレーにして、下の要素を見やすくする
ロゴ+文字、枠+アイコンなど、要素が増えるほど効果が出ます。繰り返し配置(例:名前の周りに星を等間隔で並べる)では Power Copy がクリック数を減らし、レイヤーが重なる編集では Ghost Mode が「見えないまま触ってズレる」事故を防ぎます。



ScanNCut 連携:アップリケのカット工程を自動化
BES 3 には、アップリケの配置線をカット用アートワークに変換する ScanNCut 連携が追加されています。
動画で示されている流れ
動画では ティーポットのアップリケ デザインを選び、ツールバーの ScanNCut ボタンをクリックします。刺繍データから布配置線を分離してアートワーク化し、それを印刷またはカッティングマシンへ渡して、Brother ScanNCut で事前に布を正確にカットする流れです。

なぜアップリケの再現性が上がるのか
アップリケは「カット精度」が後工程を支配します。
- 大きく切りすぎると、端が厚くなりサテンで押さえにくい
- 小さく切りすぎると、隙間やほつれの原因になる
カット工程を仕組み化すると、複数枚での品質差が減り、ハサミでの手切りがボトルネックになっている現場ほど効果が出ます。
補足: ただし、カットが正確でも、縫製中にベース布が動けばエッジは崩れます。アップリケほど、スタビライザーと枠張りの安定が重要です。段取りの再現性を上げたい場合、マグネット刺繍枠 brother 用 のようなマグネット刺繍枠でベース布を均一に保持し、布目を無理に引っ張らない運用を検討する価値があります。
Project Designer のレシピ:素材ごとの設定を外さない
動画では、強化された Project Designer でプロジェクト名を付け、レシピ(recipe)を選び、リアルな衣類プレビュー上で配置確認できる点が紹介されています。また、プロジェクトにより布厚が薄物〜厚物まで変わることにも触れています。


レシピを「提案」ではなく「チェックリスト」として使う
レシピは、再現性のある段取り表です。経験者でも、素材が変わったのにスタビライザーや枠張り方針を変えないことが「原因不明トラブル」の定番です。レシピを使うことで、変更点の見落としを減らせます。
判断フロー:素材 → スタビライザー方針(道具の見直しタイミング)
1) 安定した布(デニムジャケット、しっかりしたツイル等)
- スタビライザー: しっかりめのティアアウェイ、またはカットアウェイを1枚
- 枠張り: 標準枠でも安定しやすい
- 見直しの合図: 厚い段差(バッグの縫い代など)で内枠の押し込みが負担なら、マグネット刺繍枠 で力仕事を減らせます。
2) 伸びる布(Tシャツ、ロンパース、機能性ニット等)
- スタビライザー: ノーショーメッシュ(接着タイプ)またはカットアウェイ。ニットにティアアウェイ単体は避けるのが基本。
- 枠張り: 枠跡(枠の摩擦でテカりや輪ジミ)が出やすい領域
- 見直しの合図: 枠跡や歪みが出るなら、摩擦で締め付ける方式より、面で保持できる マグネット刺繍枠 brother 用 の方が改善につながりやすいです。
3) 嵩高素材(フリース、タオル、ブランケット等)
- スタビライザー: 裏はカットアウェイ+表は水溶性トッピング(Solvy 等)で沈みを抑える
- 枠張り: 厚みで標準枠が閉まりにくい/外れやすいことがある
- 見直しの合図: マグネット刺繍枠は厚みに追従しやすく、ネジ締めの調整が不要で段取りが安定しやすいのが利点です。
4) 同一位置への繰り返し(20枚以上のロゴ等)
- 課題: コストの中心が「段取り時間」と「位置ズレ」に移る
- 見直しの合図: 専用の 刺繍用 枠固定台(HoopMaster 等の治具システムを含む)で位置合わせを標準化すると、疲労とミスが減りやすくなります。
注意: マグネットの安全管理。 マグネット刺繍枠は強力な磁石(ネオジム)を使用します。ペースメーカー等の植込み型医療機器からは少なくとも 6 inches 離し、閉じる際は指を挟まないように注意してください。クレジットカードや磁気に弱い機器の近くでの保管も避けます。
配置プレビューが「高いミス」を防ぐ理由
動画の衣類プレビュー(黄色いTシャツ胸位置)は、見栄えだけの機能ではありません。次のような高コストのミスを事前に潰せます。
- デザインが大きすぎて可動部や縫い目にかかる(脇線に当たる等)
- 着用時に文字が不自然に見える
- 枠やボーダーがポケット等の障害物に近すぎる
見積もりの面でも、配置確認は縫い時間や糸替えの想定精度を上げ、利益率のブレを抑える助けになります。
高度な配置ツール:Power Copy と Ghost Mode(編集ミスを減らす)
BES 3 には、派手さはないものの編集時間とミスを減らす機能が揃っています。
Arrange on Path/Circle/Corner:プロっぽい整列を短時間で
動画では Arrange タブの配置ツールが示されています。
- Arrange on Path:曲線のパスに沿ってモチーフを均等配置。例ではドロップダウンから(Corner-Bottom のような)パス形状を選び、てんとう虫モチーフが弧状に整列します。
- Circle Arrange:円形に均等配置(動画では 132.8 mm x 132.8 mm の円レイアウト例)。
- Corner Arrange:コーナーボーダーをミラーして正方形フレームを作成(動画では幅 69.6 mm の例)。


ノート機能と画像書き出し:小さな機能が運用を変える
動画では、デザインにノートを追加し、BMP/JPEG/PNG で画像保存して共有できる点にも触れています。業務では、これが「人の記憶」依存を減らす仕組みになります。
ノートには最低限、次を残すと再現性が上がります。
- 糸の銘柄/配色計画:(動画では Robison-Anton Rayon が表示)
- 素材とレシピ: 例「中厚カットアウェイ2枚」
- 枠張り方針: 例「枠跡回避のためマグネット枠」
複数台運用や新人教育では、こうしたメモが手戻りを大きく減らします。
Prep(事前準備)
動画はソフト中心ですが、縫い品質は「最初の一針の前」で決まります。ここは標準のプリフライトチェックとして固定化してください。
忘れがちな消耗品・段取りチェック
- 針: 素材に合う針種(ニットはボールポイント、布帛はシャープ)と番手を確認。一般的な基準として 75/11 を使う現場も多いですが、最終的には素材と糸に合わせます。先端の摩耗も確認します。
- 糸道: コーン/スプールが引っ掛からずスムーズに供給されるか(糸立て・キャップ周り)。
- 仮止め: 位置決め用の仮止めスプレーや水溶性ペンなど、現場の標準手段を準備。
- 枠選定: デザイン寸法に対して枠サイズが適正か確認。大きすぎる枠は布の振動が増え、位置ズレの原因になります。
- 段取りの見直し: Brother 機で、厚物や扱いにくいアイテムの装着時間がボトルネックなら、マグネット刺繍枠 brother 用 への移行で段取りが安定するケースがあります。
Prep チェックリスト(セクション末)
- 寸法: レイアウト編集前に、デザインサイズが使用枠に収まるか確認
- 在庫: 使用色を決め、糸量が足りるか確認
- 安全: 針・糸切り・清掃用具(ブラシ/ピンセット等)を準備
- アップリケ: ScanNCut を使う案件かを先に判断(縫い順確定前)
- 方針: 実物素材に対するスタビライザーと枠張りを先に決める(画面プレビューだけに頼らない)
Setup(ソフト側のセットアップ)
ここでは「実機で効率よく回るデータ」を作るためのソフト設定手順をまとめます。
1) Arrange ツールでレイアウトを組む
- Arrange タブを開く
- 目的に応じて Arrange on Path/Circle/Corner を選ぶ
- ドロップダウンからパス形状を選択(動画では Arrange on Path で Corner-Bottom 系の選択肢が示されます)
- モチーフが均等間隔にスナップすることを確認
感覚チェック: モチーフ間の「余白」が均一に見えるかを確認します。均一に見えない場合は、間隔パラメータを調整して視覚バランスを取ります。
2) 文字をスタイル化する
- Text メニューを開く
- Step Text または Spiral Text を適用
- 仕上がりに合わせてスタイルオプションを調整
チェックポイント: 文字同士が衝突して読めなくなっていないか、最終サイズで確認します。
3) Convert to Outlines を使うか判断する
- 刺繍データを開く
- オープンダイアログで Convert to outlines にチェック
- Properties で下縫い/縫いパラメータを調整(動画の例では Underlay Density 2.0 mm、Stitch Length 2.5 mm が表示)
チェックポイント: Properties パネルが編集可能になること。グレーアウトのままなら、データ形式や変換条件の都合でアウトライン編集ができない可能性があります。
Setup チェックリスト(セクション末)
- 間隔: Arrange ツールで均等配置(Path/Circle/Corner)
- 可読性: Step/Spiral は最終サイズで読めることを確認してから適用
- 視認性: レイヤー編集は Ghost Mode でズレ事故を防ぐ
- 深い編集: Convert to Outlines は目的(密度調整など)とテスト計画がある時だけ
- 厚み対策: 重なりがある箇所は Remove Overlaps を実行してから本番へ
Operation(運用:実機で止まらず縫うための最終調整)
ここでの Operation は「実機でスムーズに回るデータに仕上げる」工程です。停止回数と糸切れ要因を減らします。
手順:停止を減らし、縫い上がりを整える
- Remove Overlaps
- 重なったデザインのグループを右クリック
- Remove Overlapped Stitches を選択
- クリアランス距離を設定(動画の手順説明では 1.0 mm)
- 結果: ワイヤーフレーム表示で隠れ針が消える
- Color Sort を実行
- Color Sort で同色をまとめる
- 結果: 停止回数が減る
- 繰り返し要素は Power Copy
- コピー/回転/拡大縮小を一括で行う
- 結果: 間隔の統一とレイアウト作成の短縮
- 精密編集は Ghost Mode
- Ghost Mode を有効化し、背景要素をグレーアウト
- 結果: 目的レイヤーに集中でき、ズレを防ぐ
- アップリケがある場合は ScanNCut へ書き出し
- アップリケデザインを選択
- ScanNCut ボタンをクリック
- 結果: 配置線がカットデータ化される
縫製前の確認項目(現場での最終チェック)
- 縫い順: 内→外、下縫い→表縫いの流れになっているか
- 被覆: Remove Overlaps 後に隙間が出ていないか
- サイズ: 文字が実寸で読めるか(縮小しすぎていないか)
- アップリケ: カット用データが生成できているか
Brother の多針刺繍機運用を想定する場合でも、これらの確認が「サンプルは良いのに量産で崩れる」を防ぐ基本になります。
Operation チェックリスト(セクション末)
- 厚み: 重なり部は Remove Overlaps 実行後、200% 目安でエッジ被覆を再確認
- 効率: Color Sort で糸替え回数を最小化
- 枠一致: デザイン寸法が実際に使う刺繍枠/フープに合っている
- カット: アップリケは ScanNCut 用アートワークを出力
- バックアップ: 版管理したファイル名で保存(例:
_v2_final.pes)
トラブルシューティング
ここでは、動画で触れられている問題を、現場向けに 症状 → 原因 → すぐ効く対処 の形に整理します。
症状:針数が多く厚い(硬い)仕上がりになる
- 原因: デザインの重なりが多く、下側の針が残っている
- 対処: Remove Overlaps で隠れ針を自動削除
- 予防: グループ化前にレイヤー構成を整理する
症状:糸替えが多く、縫製が遅い
- 原因: 色が縫い順に散っている(例:赤→青→赤→青)
- 対処: Color Sort で同色をまとめる(赤→赤→青→青)
- 現場のコツ: 糸替え回数が減ると、停止/再開に伴うテンション乱れのリスクも下がります。
症状:編集時にレイヤーが見えづらく、ズレやすい
- 原因: 上の要素が下の作業領域を隠し、見えないまま編集している
- 対処: Ghost Mode を有効化し、非アクティブ要素を半透明化
症状:画面では良いのに、縫うと歪む(量産でブレる)
- 原因: 布の動き、枠跡による繊維の乱れ、枠張りテンションのばらつき
- 対処: 枠張りをやり直し、太鼓張りに近いテンションを作る
- 予防: 位置合わせとテンションを標準化するために 刺繍用 枠固定台 や hoopmaster 枠固定台 のような治具システムを導入し、難素材はマグネット刺繍枠で「内枠と外枠の引っ張り合い」を減らす
(スタビライザーと枠張りの最適解は素材・機種で変わります。必ず機械マニュアルに従い、端材でテストしてください。)
まとめ(結果)
動画で紹介されている BES® Embroidery Lettering Software 3 は、「アイデアを実機で回るデータにする」までを短縮するために、次の要素を組み合わせています。
- スピード: 配置ツール(Arrange on Path/Circle/Corner)
- 表現: 文字効果(Step Text/Spiral Text)+マルチカラー文字
- 制御: Convert to Outlines による深い編集
- 品質: Remove Overlaps による厚み削減
- 効率: Color Sort による糸替え削減
- 自動化: ScanNCut 連携によるアップリケのカット工程標準化
- 事故防止: Project Designer のレシピと衣類プレビューで配置ミスを減らす
最後に。ソフトは地図を作れますが、縫い品質を決めるのは現場の「枠張り」と「安定化」です。次のボトルネックがデータ作成ではなく段取り時間になってきたら、マグネット刺繍枠 用 枠固定台 やマグネット刺繍枠の導入を検討するタイミングです。どれだけきれいなデータでも、布が安定し、同じ位置に再現できて初めて“プロの縫い”になります。
