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1 このプロジェクトで目指すこと
多針刺繍の現場では、デザインの前に“土台”となるブランクを取り違えず、必要な色・サイズをすばやく取り出せることが生産性の要になります。本ガイドでは以下を達成します。
- チュチュ制作に使うチュールと幅の異なるサテンリボンを、開封と同時に用途別に把握する。
- ブランクTシャツ・ボディスーツをサイズごとに収納キューブへ配して、在庫の可視化を進める。
- 「10枚ルール」に基づく週次の発注判断で、過不足の振れ幅を抑える。
背景に多針刺繍機が見えるものの、機種名や刺繍設定、実際のフーピング手順は動画では扱っていません。したがって本稿でも特定機種の操作方法は扱わず、在庫と段取りに焦点を絞って解説します。なお、刺繍工程に移る際の補助として、一般的には マグネット刺繍枠 を活用するとブランクの扱いを簡潔にできる場面があります(動画では未言及)。
1.1 いつ・なにをやるか
- 新規入荷があった週のうちに、開封→分類→収納までを一気に終わらせます。
- ブランクはタグ(サイズ)を確認して、“積み替え”の回数を最小化する並べ順で置いていきます。
- 10枚を切ったサイズは“翌週にまとめて発注”の検討対象とします(詳細は後述)。
1.2 適用範囲と制約
- 本手順は白無地のTシャツ/ボディスーツを前提に書かれています。カラー展開がある場合は色ごとの小分け袋を追加して干渉を防ぎます。
- 刺繍機の設定やフーピング、スタビライザー選択は動画で具体的に示されていないため、本稿では触れません。刺繍準備の整流化の観点では、刺繍ミシン 用 マグネット刺繍枠 のような保持具が後工程で役立つことがあります(一般論)。
**クイックチェック**
- 今日やることは「開封」「仕分け」「格納」の3つだけ。刺繍作業は別日に回して集中を保つ。

2 準備するもの
- 収納キューブ(布製、黒)…サイズ別にひと箱ずつ割り当てます。

- ホワイトの作業台…A4紙やシールの仮置きがしやすいフラット面。
- クリア袋のまま入荷したブランク…タグでサイズ確認(例:10、12、14)。

- チュチュ素材…チュール、7/8インチのリボン(ホットピンク/ターコイズ)、1 1/2インチのサテンリボン(ブラック/ミント)。


- スクラップ用紙…その場の数取り用の一次記録に使用。
- はさみ…ポリメーラーの開封に使用。
一般には後工程の準備物として 刺繍用 枠固定台 を備えておくと、サイズ別に整ったブランクを素早く固定しやすくなります(本動画では未登場)。
**チェックリスト(準備)**
- 収納キューブは空のものを棚から手元に3つ以上用意したか?
- スクラップ用紙と筆記具は机の右上に固定位置を作ったか?
- リボン幅と色は注文書のメモと一致しているか?
3 ワークスペースのセットアップ
作業台は“開封ゾーン→仕分けゾーン→収納ゾーン”の一方向に流れるよう配置します。左から右へ、または手前から奥へ動くだけで工程が進むのが理想です。
3.1 作業動線を最短にする
- 左側に未開封(ポリメーラー)、中央に開封・確認、右側に収納キューブ。
- サイズ表記が見える向きに積むと、数取りと収納が同時進行できます。
3.2 机と収納の“高さ合わせ”
収納キューブを机上に置くと、折り畳み→投入の動線がまっすぐになります。押し込みやすく、角が崩れません。

コメントでは作業台について質問があり、回答では“身近な人の製作による自作”と述べられていました。既製品で代替する場合も、作業面が広く、収納キューブを載せてもたわまない剛性があると快適です。刺繍前工程の段取りをさらに安定させたい場合、hoopmaster 枠固定台 のような固定ベースを脇に置いておくと“折る→位置合わせ”が連続動作にできます(動画内では未使用)。
**注意**
- 開封用のはさみは刃先が長いと中身を傷つけやすい。外装に沿って小さく切り込みを入れ、手で開く。
**チェックリスト(セットアップ)**
- 未開封→開封→収納の向きが一筆書きになっているか?
- 収納キューブは手を伸ばせば届く位置にあるか?
4 実作業の手順
4.1 チュチュ素材の開封と確認
1. ポリメーラーを開け、チュールと7/8インチのリボン(ホットピンク/ターコイズ)を取り出します。
2. 別便の1 1/2インチサテンリボン(ブラック/ミント)も同様に確認し、幅と色のラベルを見てメモにチェック。
- チュチュ用途の箱(または引き出し)を1つ割り当て、幅ごとにゴムバンドでまとめます。
ここで“刺繍で待ち時間が出る合間にチュチュを作る”という運用を想定するなら、素材の箱は刺繍機の近くに置くと取り回しが良くなります。多針機周辺での小回りを考える際、例えば mighty hoop マグネット刺繍枠 のような着脱の速い保持具を併用すると、手元の行ったり来たりを減らせます(一般的なワークフロー上の利点、動画では具体機種・型番の提示なし)。
4.2 ブランクの取り出しとサイズ別の山作り
1. クリア袋からブランクを取り出し、タグのサイズ(例:10、12、14)を上にして机に並べます。
2. 同一サイズを1列に、列の前方に“合計枚数”をメモしたスクラップ用紙を置き、随時加算します。

3. それぞれの列の端を揃えるよう折り直し、重なりを均一化します。
サイズの山は後でキューブに入れ替えるため、長辺・短辺の向きをキューブの内寸に合わせます。刺繍工程へ移る構想がある場合は、山の上に刺繍予定デザインの仮メモを載せても良いでしょう(動画ではデザインや刺繍設定の具体提示はありません)。
4.3 収納キューブへの投入と圧縮
1. 空の収納キューブを作業台の右側に置き、列ごとに上から順にそろえて入れます。
2. 角を保ったまま、上面を手のひらで軽く押して空気を抜くように圧縮し、容量を最大化します。

3. 満ちたら一度棚に戻し、次の空キューブを下ろして同じ手順で詰めていきます。



圧縮時に過度な力で皺を付けないことが重要です。皺はそのまま刺繍時の歪み原因になり得ます。刺繍工程においては、一般に brother pr 680w のような多針機を使う現場でも、“皺のない素材を枠に入れる”前提が品質の土台です(機種名は参考例、動画では特定機種の使用説明はありません)。
4.4 週次の在庫判断:「10枚ルール」
- 対象サイズの残量が10枚以下なら、その週は発注を見送り、翌週に同サイズが他にも出そうかを見て“まとめ発注”します。

- 今週必要枚数をざっと足し上げ、7、11、20…のようにサイズ・型で合計を出し、発注見込みの総数を決めます。
このルールは“送料の二重払いを避ける”“発注を週1回に集約し事務負荷を軽くする”ことが目的です。刺繍の予定が詰まっている週は、ルールからの“例外”を作らず、むしろ在庫の見える化を徹底して取り違いをゼロに寄せます。
**プロのコツ**
- 10枚ルールは“切り取り線”として機能します。ルールを守ると決めたら、スクラップ用紙の右上に赤で“切”と書き、超えたら発注候補に丸を付けるだけにします。
- ルールをチームで共有するなら、在庫棚の側面にA6のプラポケットを貼り、サイズごとのカードを差しておくと誰が見ても判断可能。
4.5 記録:スクラップ用紙と今後のスプレッドシート
- 本セッションでは印刷した在庫表がなかったため、手元のスクラップ用紙を一次記録として使用。

- 次回は実際に使っているスプレッドシートを紹介予定(動画でもそう予告されています)。
スプレッドシートを導入する際、列は“サイズ/品番/色/枚数/最終補充日/補充トリガー(10枚)/備考”の最小構成で十分。刺繍工程の端点に“受注ID”を持たせるかは、各現場の運用次第です。高度な連携を考える方は、一般的に brother pr1055x のような機種でジョブ管理を行う際にも、在庫表が並走していると迷いがありません(本動画では機種の提示・連携方法は示されていません)。
**チェックリスト(手順全体)** - チュールと各リボンは幅・色をラベリングしたか?
- サイズの山は“同じ向き・同じ厚み”で揃ったか?
- 収納キューブは過圧縮せず、上面がフラットに整っているか?
- 10枚ルールの該当サイズに印を付け、次週へ繰り越すメモができたか?
5 仕上がりと品質チェック
- 見た目:収納キューブの上面が平らで、側面に隙間が少ない。
- 手触り:過度な皺や折り癖がない。指でなでると均一な抵抗感。
- 取り出し:サイズタグが上を向き、片手で枚数確認ができる。
**クイックチェック** - キューブを棚から持ち上げたとき、崩れずそのまま移動できるか?倒れず置けるか?
**注意**
- 皺が強い個体は、刺繍前日にだけ軽い当て布プレスを検討(動画では具体的なアイロン設定は示されていません)。
6 結果と後処理
今回の整理で、白ブランクはサイズ別に複数の収納キューブへ整然と収まりました。
チュールとリボンは種類・幅ごとにまとまり、刺繍の待ち時間にチュチュ制作へすぐ移行できる配置です。
次週の発注対象は“10枚以下”のサイズ群としてメモに残りました。
作業の締めとして、スクラップ用紙の写真をスマートフォンで撮っておくと、次回のスプレッドシート転記が楽になります。刺繍の準備をさらに滑らかにしたい場合は、一般に マグネット刺繍枠 とhoopmaster 枠固定台 の組み合わせがフーピングの再現性を助けますが、本動画での具体的使用は示されていない点に留意してください。

7 トラブルシューティングと回復策
症状1:キューブ内で山が傾き、取り出すたびに崩れる
- 可能原因:折りの向きがバラバラ/圧縮の偏り
- 解決策:短辺を手前に向けて重心を前後中央に揃える。上面をフラットに押さえ、角を指で整える。
症状2:タグ確認に時間がかかる
- 可能原因:タグが内側を向いている/サイズ混在
- 解決策:タグが上を向く折りに統一。サイズごとに別キューブへ移し、混在列を“隔離”する。
症状3:在庫の数え直しが頻発し、発注判断が遅れる
- 可能原因:記録場所が固定されていない/しきい値が曖昧
- 解決策:スクラップ用紙の固定位置を決め、“10枚ルール”を赤で明記。週末にしか数えないなど“曜日ルール”を付与。
症状4:チュチュ素材が作業中に散らかる
- 可能原因:幅が混在し、巻きが解ける
- 解決策:幅ごとに輪ゴム止め→引き出しに立てて収納。箱の側面に幅を大きく表記。
症状5:刺繍工程に移るときにブランクの取り回しが不安定
- 可能原因:保持具・ベースがなく、都度あわせで手間取る
**コメントから**
- 作業台についての質問に対し、製作は身近な人による“自作”との回答がありました。既製品で探す場合は“広い天板・高い剛性・収納キューブを載せても沈まない”を条件に選ぶと再現性が高まります。
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最後に、刺繍工程と在庫整理をシームレスにつなげたい場合の一般的ヒントを補足します。多針機の前処理では、着脱の速さと位置再現性が品質を支えます。例えば mighty hoop マグネット刺繍枠 や 刺繍ミシン 用 マグネット刺繍枠 を“刺繍前の定位置”に置き、在庫キューブから取り出したブランクを即座にセットすれば、段取り替えのロスが減ります。機種固有の設定や互換性は必ず各メーカー資料を確認してください(本稿では機種名・互換情報の詳細は扱いません)。
