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1 プロジェクトの概要(CYBフォームとは)
CYB同意書は、お客様が自分で購入し持ち込むアイテム(Tシャツ、サドルパッドなど)に対して刺繍、昇華、HTV(熱転写ビニール)、スクリーン印刷等の装飾を行う際、作業者側の責任範囲を明記するための文書です。動画では「鉄壁(アイアンクラッド)」を保証する法的助言ではないと明言されており、あくまでリスクを事前に共有するための実務的手当てである点が強調されました。
同意書の要点は3つです。
- お客様側:持ち込みは自己責任であることの理解(温度ミス、糸切れ、スペルミス等、不測の問題が生じうる)。
- 事業者側:万一の破損・不具合に対して、購入金額の補償を行わない判断基準の明示。
- 双方:作業着手前に合意・署名を済ませ、透明性を確保する。
持ち込み品が標準的なTシャツであっても、調達ルート・素材特性・事前履歴が不明な以上、一定の不確実性が残ります。そのため「問題は起きにくい」状況でも、同意書で境界線を明確化しておくことが合理的なのです。
1.1 適用シーンの目安
- 高額・入手困難・代替が難しい品(例:高価格帯のサドルパッド)。

- 素材反応が読みにくい装飾(昇華、HTV、熱圧着全般)。

- 細かな設定の積み重ねで品質が決まる刺繍(張力・糸・針・デザインデータ)。

1.2 何を守るのか
同意書は「費用・時間・信用」を守ります。特に刺繍では糸切れやテンション不良、文字のスペルミスといった人的・機械的要因が重なり、完成直前で問題が顕在化することがあります。

だからこそ、責任範囲を事前に文字で残し、誤解を防ぐことが肝要です。
- クイックチェック:
- 作業着手前に署名は取れているか?

- 作業内容・仕様が同意書に沿って説明されているか?
- 同意書の控え(コピー/デジタル)は双方で保管できているか?
- 注意:
- 同意書は法的最終判断を保証しません(動画でも「鉄壁ではない」と明記)。

ローカルな法制度に合わせて運用ルールを整えてください。
- チェックリスト(概要段階)
- 適用対象:持ち込みアイテムのみ(卸仕入れの案件は対象外)。

- 説明のタイミング:受領直後、梱包を開封する前。
- 保管:署名済みフォームの保存・参照方法を決める。
2 装飾方法ごとのリスクと適用範囲
CYB同意書の対象は、動画で明示されたとおり、刺繍・昇華・HTV・スクリーン印刷など多様な装飾方法に及びます。

2.1 刺繍:糸切れ・テンション・スペルミス
刺繍は、糸の経路・テンション・針・下糸・安定材・デザインデータなど変数が多く、ミスの芽をゼロにできません。特に文字刺繍ではスペルミスが致命傷になりやすく、同意書で責任範囲を先に共有しておく意味が大きいです。
刺繍関連の機材や用語は幅広く、現場では マグネット刺繍枠 や枠位置決め治具の活用可否も議論になりますが、同意書の核は「工程リスクの可視化と合意」であることを忘れないでください。
2.2 熱関連(HTV・昇華):素材反応の不確実性
ポリエステルなど素材によっては、熱や圧力の影響で変質・艶変化・昇華移染が起こることがあります。
またHTVでは温度・圧・時間の要素が複合し、微妙な差が結果に響きます。こうしたハイヒート工程は、同意書で「温度・圧・素材反応に関する予見困難性」を丁寧に書き込むとよいでしょう。
現場では、機種やアクセサリに左右される話題も出ます。例えば brother pr680w での運用経験がある人でも、他機で同条件が再現できるとは限らないことをお客様に伝えておくと、期待値の調整に役立ちます。
2.3 スクリーン印刷:インクと生地の相性
版とインクの選定、乾燥・硬化条件、二次加工(プレス)など、各段階で不確実性が生まれます。お客様が持ち込むアイテムは保管環境や前処理の経歴が不明なことも多く、その分だけリスク説明が重要です。
- プロのコツ:
- テスト可能な余白や予備素材があれば、同意書説明とセットで「試験一回」を提案すると納得感が高まります。
- チェックリスト(方法別の要点)
- 刺繍:データ・糸・テンション・安定材の初期点検。
- HTV/昇華:温度・圧・時間の記録、素材適性の説明。
- スクリーン印刷:インクと素材の相性・硬化条件の確認。
3 現場の実例:高額品・持ち込みと卸の違い
3.1 高額アイテムの扱い(サドルパッド)
動画では、1点あたり約125ドルのサドルパッド事例が紹介されました。
調達先不明・代替困難な高額品は、受領時に同意書へ署名を頂くのが鉄則です。この“最初に線を引く”所作が、以降の工程全体を守ります。
現場では、固定治具やアタッチメントの選び方も議論になります。たとえば大判や厚物に対応するため 刺繍用 枠固定台 を使う運用が話題に上ることはありますが、どんな機材でも「作業前合意」が最優先である点は変わりません。
3.2 持ち込みと卸の境界線
卸仕入れで自社が調達した衣類は、ミス時のリカバリーコストを事業者が負担すべき範囲ですが、持ち込みについては同意書により責任を限定します。

- クイックチェック:
- 本案件は「持ち込み」か「自社仕入れ」か?ラベルを台帳で明確化。
- 同意書の有無を案件カードにチェック。
3.3 作成者の運用実績
動画の語り手は、5〜6か月間の運用で同意書に立ち返る事態(破損賠償など)が発生しなかったと述べています。

これは“抑止力”として同意書が機能している好例です。
- 注意:
- 実績は心強いものの、ゼロリスクを意味しません。案件ごとに説明・署名・保管の3点セットを徹底しましょう。
4 自社用同意書の実装ステップ
同意書はテンプレートから始め、文言・色・ロゴ・連絡先など自社仕様に調整します。動画ではCanvaに編集可能なテンプレートが用意され、アクセスできることが確認されています。


4.1 テンプレートを取り込みカスタム
- Canvaリンクから“自分のコピー”を作成し、編集可能な状態にします。コメントでも「閲覧専用→コピーして編集」が推奨されていました。
- ロゴ、ブランドカラー、事業名、住所、メール、電話番号を差し替え。

- ポリシー文の語尾や免責の範囲を、自社の運用・地域ルールに合わせて最適化。

現場用語や機材名は無限にありますが、フォーム本文はシンプルで十分です。たとえば hoopmaster 枠固定台 などの用具の可否まで書き込む必要はなく、「持ち込みは自己責任」「高熱・機械工程に予見困難なリスクがある」「補償の範囲」など本質だけを短文で押さえましょう。
4.2 記載すべき主要項目
- 件名:「Customer Supplied Garment Policy Waiver」
- 適用範囲:刺繍・昇華・HTV・スクリーン印刷
- リスク告知:温度ミス、糸切れ、テンション不良、スペルミス、素材反応など
- 責任範囲:破損時の補償・再製作の可否など
- 手続き:受領→説明→署名→保管の順序
4.3 法的留意点
動画では「裁判での有効性を保証するものではない」と説明されています。
地域の法令や業界慣行に応じて、必要に応じ専門家へ相談する判断も大切です。
- プロのコツ:
- 同意書は1ページ程度で可読性重視。署名欄は大きく、日付と案件名を分ける。
- デジタル保管と紙保管を併用し、検索性と真正性を両立。
- チェックリスト(実装段階)
- Canvaで自社用に複製→編集→PDF化。
- 受領時フローに「説明→署名→控え渡し」を組み込む。
- 案件管理に“持ち込み/卸”ラベルと同意書有無を追加。
5 運用のベストプラクティス
5.1 署名は“作業開始前”が鉄則
梱包を開ける前、機材にセットする前、前処理を行う前に説明・署名を完了させます。
ここが曖昧だと、後から認識齟齬が生まれがちです。
現場では、磁力で固定する枠を使うかどうかも議題になります。例えば厚物や位置合わせの話題で mighty hoop マグネット刺繍枠 に言及される場面もありますが、同意書の要点は「どの機材を使ってもリスクはゼロではない」と伝えることにあります。
5.2 リスクをお客様に“見える化”
- 口頭だけでなく、フォームに箇条書きで明記。
- 可能なら、素材反応の不確実性(ポリエステル等)を具体例で説明。
- 高額品は受領直後に状態写真を残す。
ベテランの間では、Tシャツ標準品と厚物/特殊形状で枠選択が変わるなどの会話もあります。たとえば tajima 刺繍枠 のような用語が出ても、本質は「機材差と素材差のダブル不確実性」を先に共有することです。
5.3 継続学習:素材と工程への理解を深める
動画では、糸切れ、色間違い、スペルミス、テンション問題など刺繍特有の“あるある”が挙げられました。
こうした失敗事例を自社ハンドブックに蓄積し、同意書の解説に活用しましょう。
また、ブランドや機材の違いに由来する誤解を避けるため、例えば ricoma 刺繍枠 と他社の枠・クランプの違いは“慣れ”で吸収できるが、持ち込みアイテムの過去洗濯歴や保管状況までは読み切れないことを丁寧に伝えると納得感が上がります。
- プロのコツ:
- 受領票に“素材/繊維/厚み/前処理の有無”の欄を作り、聞き取り・記録を標準化。
- 試し打ち・試しプレスの可否を、同意書本文に1行で差し込む。
- チェックリスト(運用段階)
- 署名完了→写真記録→試験可否→本番開始の順序をルーチン化。
- 温度・圧・時間(HTV/昇華)やテンション(刺繍)を記録。
6 結果・受け渡しとその後
完成品の検品は、
- 視覚(ズレ、色ズレ、滲み、ループ)
- 触感(硬化しすぎ、段差、引っかかり)
- 表裏(裏糸の鳥の巣、インク抜け)
の3観点で行います。問題がなければ、納品時に同意書の控えと一緒に保管方法・洗濯上の注意を伝えます。動画では最終成果の細部検査手順は具体化されていませんが、刺繍・HTV・昇華の一般的な品質観点を加えると運用が安定します。
また、設備・治具の選択は品質だけでなく説明材料にもなります。たとえば、枠固定系の話題(刺繍用 枠固定台 など)が出た場合でも、「どの治具を使ってもリスクは残る」という説明軸を崩さないことが重要です。
7 トラブルシューティングと回復手順
症状→原因→対処を最短で辿れるよう、以下に整理します。
- 症状:糸切れ・ループ・テンション不良(刺繍)
- 可能原因:上糸経路の摩擦、針番手ミスマッチ、テンション過多/不足、デザイン密度過多。
- 対処:経路再セット、針交換、テンション微調整、データの密度/下糸バランス見直し。
- 同意書ポイント:刺繍工程の不確実性を明記済みか確認。
- 症状:色間違い・スペルミス
- 可能原因:仕様確認不足、色指定の記録漏れ。
- 対処:仕様書に色見本・綴りを明記し、受領時にダブルチェック。
- 同意書ポイント:表記に“スペルミスの可能性と確認責任の所在”を簡潔に追記。
- 症状:熱ダメージ・艶変化(HTV/昇華)
- 可能原因:温度・圧・時間の過不足、素材の熱感受性。
- 対処:テストプレスの提案、温度・圧の再設定、温度帯の説明を添えた納期調整。
- 同意書ポイント:高熱プロセスの不確実性・免責事項の記載を再確認。
- 症状:入手困難品の破損
- 可能原因:素材特性の未知・前処理の不明・厚み由来の固定不足。
- 対処:受領時の同意書署名と状態写真で事実関係を明確化、代替提案は“実費前提”で慎重に。
- 同意書ポイント:高額/入手困難である旨の別記(備考欄)を推奨。
- クイックチェック:
- 署名は作業前にあるか?
- 仕様確認書に色・スペル・位置が揃っているか?
- 設備・治具の選択は記録されているか(例示として マグネット刺繍枠 の使用可否)。
- 注意:
- 同意書は魔法の盾ではありません。動画でも「裁判での鉄壁性は不明」と明示されています。
説明責任と記録を積み重ねましょう。
8 コメントから
視聴者からは「とても役に立つ」「アクセスできた」といった声が多く、Canvaテンプレートの実用性が確認されています。ある視聴者は“閲覧専用→コピーを作成して編集”を推奨し、別の視聴者は問題なくコピーできたと報告しています。作成者自身も、リンクが機能している旨の報告に感謝を示しています。
なお、機材名・治具名は現場で多様に登場します。たとえば マグネット刺繍枠、hoopmaster 枠固定台、あるいはブランド別の枠(tajima 刺繍枠 など)への言及があっても、同意書運用の中核は「説明→署名→保管」の徹底です。ブランド差は副次的であり、同意書による期待値調整こそが最優先であることを、社内外に繰り返し伝えていきましょう。
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最後に、装飾手法や設備の違いに話題が及ぶ際には、具体的な型番やアクセサリの優劣に議論が流れがちです。たとえば現場では マグネット刺繍枠 とクランプ式枠の比較、あるいは多針機や周辺治具の兼ね合いが語られますが、同意書の目的は「どの環境でも避けられない不確実性」をお客様と共有することにあります。もし説明の中で比較例が必要になったら、ブランド名の羅列ではなく、リスクの性質(高熱・機械・人為)と合意の枠組みに話を戻すのがおすすめです。
