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動画を見る:HB Series Moly Cut Tech Video Series Machine Threading(EDM Performance)
古いワイヤーをほどき、新しいワイヤーを通し、張力とドラムのリミットを追い込む——HBシリーズ Moly Cut EDMの現場作業は、細部が結果を左右します。

このガイドでは、動画の実演に沿って、必要な準備から最終チェックまでを日本語で整理しました。安全第一で、確実に、ムダなく仕上げましょう。
学べること
- Wire Prepモードの活用とドラム操作(低速・高速)のコツ
- 古いワイヤーの安全な取り外しと、絡ませないアンスポール方法
- ドラム、ローラー、カーバイドの清掃と異常チェック
- 新しいワイヤーの通し方(背面ローラー→ガイド→シールプレート→前面)
- 左右リミットと張力の最適設定、最終のカーバイド90度インデックス
スレッディング前の準備
機械ヘッドの位置決め 作業を始める前に、機械ヘッドを奥のコーナーへ移動させます。これで背面側へ手が届きやすくなり、ワイヤーの通し作業が格段にスムーズになります。全カバーも開けて視認性と安全性を確保しましょう。

プロのコツ
- 移動はリモコン操作でゆっくりと。ケーブル干渉に注意。
- 作業前点検:切粉やゴミが視認できるよう、照明を十分に。
注意
- カバーを開ける際は、可動部の挟み込みに注意してください。
Wire Prepモードを有効化 コントロールパネルでWire Prepモードを選び、ドラムを回せる状態にします。最初は低速、必要に応じて高速に切り替え。目的は、旧ワイヤーの端を右側でつかみやすい位置に正確に止めることです。

クイックチェック
- 画面にWire Prepの表示は出ていますか?
- ドラムは右側で停止し、ワイヤー端にアクセスできますか?

古いワイヤーの取り外し
テンショナーのロックアウト 最初にテンショナーをロックアウトし、ワイヤーの張力を抜きます。これで安全にフックを外し、切断できます。ワイヤーカッターで下側を切り、旧ワイヤーを機械から引き抜きましょう。

アンスポーラーの取り付け テンショナーを下までロックしたら、アンスポーラーを取り付けて軽く締めます。ワイヤー端をローラーへ回し、アンスポーラーに数周巻き付けて準備完了。

プロのコツ - アンスポール前に、ワイヤーが背面のローラーに正しく回っているかを確認。これで引き出し時に下のローラーも連動して回るため、絡みにくくなります。

テンションモードで巻き取り 反対側のワイヤーを外してから、Wire Prepをオフ、Tensionモードをオン。旧ワイヤーを一気にアンスポールします。終わったらテンションをオフに戻し、Wire Prepを再びオンにします。スピードを上げ過ぎると絡みの原因になるので注意しましょう。
清掃と点検
廃棄と清掃の基本 巻き取り終えた旧スプール類は廃棄。次に、ドラム、機械下部、ローラー、カーバイド、ガイドを「シンプルグリーン系クリーナー」とウエスで拭き上げます。異物や切粉、油膜を取り除き、破損や切れ、欠けがないかを目視点検します。


クイックチェック
- 旧スプールは確実に廃棄しましたか?
- 主要部は清潔で、破損は見当たりませんか?
注意
- 動画では具体的なトルク値やPPEの指定はありません。自身の安全基準に沿って保護具を着用し、締結は「確実に・適度に」を心がけてください。
新しいワイヤーのスレッディング手順
ドラムの右リミットで停止 左リミットをいったん避け、右リミットを側面から約1インチの位置にセット。高速でドラムを動かし、右リミットで正確に停止させます。新しいワイヤーの端をカットし、ドラムのタブに掛け、アンカーに回して締めます。テンショナーは中間設定でロックします。


プロのコツ
- 端面が潰れて「キノコ化」したら、良質なニッパーで切り直すと通しがスムーズ。
背面ローラーとガイドを通す ワイヤーを通す隙間をつくるため、ドラムを約30回転分戻してギャップを確保。端を外し、背面の下ローラーから上ローラーへ順に通します。6〜8フィートほど余剰を引き出し、マグネットで仮止め。ドラムガイドを外し、上ガイドに通して軽く締め、必要なら先端を切り直して下ガイドにも通します。その後、仮止めを外して下側ローラーに確実に乗せます。絡みや弛みがないかを確認しましょう。


小さな工夫
- 余長を多めに取り、マグネット仮止めで手元の自由度を上げると、通しミスが減ります。
シールプレートを抜けて前面へ 通線は背面から前面へ。シールプレートへ指先で通し、前面へ受け渡します。前面では下テンショナーローラー→上側ローラー群→スプール下へ回し、再び手前で受けて、ドラムのアンカーに2周巻き。余長はカットして整えます。ルーティングが正しいこと、余剰ワイヤーが残っていないことを確認します。

クイックチェック
- 背面・前面ともにローラーの乗り位置は適正ですか?
- 上下ガイドは「軽く確実に」締めていますか?
パフォーマンスを左右するドラムリミット設定
ローラー挙動と敷きつけ確認 ドラムを軽く揺すり、すべてのローラー(上・下・テンショナー)が「引っかかりなく」回るか確認。ワイヤーを少し送って、ドラム上に滑らかに「横たわる」ことを目視で確かめます。ここで段差や重なりがあると後のトラブルにつながります。
左右リミットの追い込み 下部の左リミット(磁気センサー)をコンタクタと一直線に合わせ、低速で右へ送り、右側から約1/4インチ手前で停止。ここで右リミットを設定します。次に高速で左へ戻し、左も約1/4インチ手前で止めて位置を確認。隙間が広すぎる場合は下側のアジャスターで約1/4インチ分詰め、金属片でコンタクタを手動トリップさせて動作を検証します。最後にドラムを中央に置き、テンショナーのロックを解除して張力を適用。高速で左右端まで追従が安定しているかを確認します。

コメントから
- 質問:両サイドのギャップはなぜ必要?
回答の要旨:駆動系が端で突き当たらないようにするためのバッファで、方向転換時のオーバートラベルも吸収。右側の二重ギャップは通常は作らない。回転中に両端へ少量のワイヤーを残すのは、結束点で切断しないよう保護する目的。
- 指摘:スプールへの「載せ」工程がないのでは?
回答:動画では詳細説明がなく、本ガイドでも動画の範囲を超える推測はしていません。必要に応じてメーカー手順に従ってください。
最終チェックと微調整
ワイヤーの走りとカバーの閉鎖 ドラムを高速で回し、通線・張力・トラッキングを観察。問題がなければ、すべてのカバーを閉めます。最後に上下一対のカーバイドを90度回して新しい当たり面を使い、しっかり増し締めして完了です。
プロのコツ
- 新品ワイヤー×新品面の組み合わせは、初期の面当たりが安定しやすい反面、緩みやすい箇所が出がち。短時間の試走後に再チェックすると安心です。
トラブルシューティング(兆候→確認→対策)
- ワイヤーがガイドで詰まる→先端が「キノコ化」していないか→新しい刃で直角にカット
- ドラム上で重なりが出る→リミットの余裕不足や停止位置ズレ→左右1/4インチの余白を再確認し、停止タイミングを調整
- ローラーの回りが重い→清掃不足・異物噛み→クリーナーとウエスで再清掃し、指でのフリースピンを確認
クイックチェック(走行前の最終5項目)
- Wire Prep/Tension切替は正しいか
- ローラー全点の自重回転が滑らかか
- ドラム左右の1/4インチ余裕があるか
- テンショナーはロック解除され張力がかかっているか
- カーバイドは90度インデックスし、確実に締まっているか
用語メモ(動画で触れられた範囲)
- Wire Prepモード:ドラムを低速/高速で操作し、位置決めや巻き外しに使う
- Tensionモード:張力をかけた状態での巻き外しに使用
- 磁気コンタクタ:リミットの検出に用いるセンサー系、金属片で動作確認可能
補足・留意点(動画にない具体値は未記載)
- 張力の数値(グラム等)、ガイド締結のトルク値は明示なし
- ワイヤー材種は「Moly Cut」以上の詳細未記載
- PPEの具体的指定なし(各自の基準で保護具を選択)
現場メモ 清掃→位置決め→取り外し→通線→リミット→張力→最終面出し——作業自体は直線的ですが、要所の「止め」「見る」「微調整」で仕上がりが一変します。動画の通り、ドラムを止める位置、ローラーのフリー感、1/4インチの余白、その三点を外さなければ、大きなトラブルは避けられます。
—以下は編集部からの小ネタ— 精密な通線やリミット調整は、手芸で枠やフレームを扱うときの「下準備」とよく似ています。例えば、布取りの前にフレームの当たり面を整えるように、EDMでもローラーとドラム面のコンディションを整えることが肝心です。なお、手芸分野ではフレームの保持力や再現性を高めるために磁気 刺繍枠が活躍します。分野は違えど、基盤の安定が仕上がりを左右する点は同じですね。
枠の保持で思い出した方へ——再現性重視の道具選び
- マグネットで素早く着脱できるsnap 刺繍枠は、同じ位置合わせを繰り返す作業に便利。
- 金属ベースと強力磁石の組み合わせで固定力を得るmagnetic フレームは、薄物や滑りやすい素材に有効。
- 汎用性を求めるなら、システム全体で治具化できる刺繍枠 for 刺繍ミシンや刺繍枠 masterのようなステーションも参考になります。
固定力と再現性の話をもう少し 重ね取りや多工程での位置ずれは、最終品質の首根っこです。強い保持力と素早い着脱を両立したmighty hoopsの思想は、製造現場の治具づくりにも通じます。余談ながら、磁力の扱いに慣れておくと、作業性がぐっと上がります。シンプルなmagnetの取り回しひとつでも、ワイヤーの仮保持から切断端の管理まで、細かな効率化に効いてきます。
最後に HB Series Moly Cut EDMのワイヤー張り替えは、段取り7割。Wire Prepでの位置決め、旧ワイヤーの安全な撤去、徹底清掃、新ワイヤーの通線、1/4インチの余裕を考慮したリミット設定、テンション投入、そしてカーバイドの90度インデックス。動画の順序を守れば、通線の安定とカット品質の両立が見えてきます。丁寧な初期セットアップは、長い稼働時間の信頼性に変わります。
