Table of Contents
1 プロジェクトの概要
最終ゴールは2カ所の刺繍を的確に入れること。小ポケットの「肉球」は中央寄りで生地の嵩があるため、Fast Frame+粘着式ティアアウェイで安定確保しつつ、クランプを追加して縫製中のズレを抑えます。

1.1 何をどこに刺繍するか
・小ポケット:オレンジの肉球モチーフ(約6,500ステッチ)をRicoma EM-1010で刺繍。 ・前ポケット:名前(オレンジ)。サイズ制約のためBrother PE800の5×7枠でフローティング刺繍。
1.2 2台体制にした理由
Fast Frameの最大サイズでは名前が収まらず、単針機の5×7枠なら適合すると判断。なおスクリーン上で「サイズ超過」表示が出たため、フォントを1インチから0.75インチに縮小して対応しました。動画では理由の詳細は説明されていませんが、結果として前ポケットへの配置が可能になりました。
1.3 この方法が向く場面/向かない場面
・向く:ポケットや袋物で直接フーピングが難しい場合、または枠サイズが限定的な場合。 ・向かない:枠やクランプの干渉でトレースが確保できないとき。無理に進めず手法を切り替えます。
プロのコツ:クロスヘア付きのデザイン紙を使うと、Vノッチや自作のセンター線と合わせて、視認だけで「上下左右の直角」と「中心」を同時に決められます。

注意:バックパック本体の厚みやベルトが動線を塞ぐと、縫製アーム下に生地が巻き込みやすくなります。スタート前に手でなぞり、折れや巻き込みがないか必ず確認してください。
2 準備する道具・材料と事前チェック
・マシン:Ricoma EM-1010(マルチニードル)、Brother PE800(シングルニードル)。 ・フレーム/枠:Fast Frame、5×7標準刺繍枠。 ・安定剤:粘着式ティアアウェイ(Fast Frame用)、ティアアウェイ(PE800用)。 ・ほか:クランプ/バインダークリップ、はさみ、ピン、アクリル定規、デザイン紙(クロスヘア付き)、オレンジ糸、バスティングスプレー。
クイックチェック:針は75/11を使用(コメントで作者が明言)。PE800のテンション値は動画・コメントともに具体値なし(不明)。
コメントから:PE800の社外枠が「スナップインしない」との声がありましたが、動画内では特定の推奨枠は提示されていません。購入前に適合機種を必ず確認してください。
プロのコツ:フローティングが前提なら、枠にセンター線を定規で引いておきましょう。十字の交点が一目で分かり、バスティングの貼り直し回数を減らせます。

チェックリスト(準備)
- デザイン寸法がポケット範囲と枠内に収まる
- マシンにオレンジ糸をセット、デザインをロード
- デザイン紙(クロスヘア付き)を用意
- 安定剤(粘着式/ティアアウェイ)をカット
- クランプ/クリップを手元に
3 Fast Frameで小ポケットに肉球を刺繍する
Fast Frameでは、粘着式ティアアウェイを裏から貼って生地を「置く」運用にします。粘着が保持力となるため、貼り面のシワ・たるみがないことが何より重要です。

3.1 粘着式ティアアウェイでFast Frameを準備する
枠を裏返し、台紙を剥いだ粘着式ティアアウェイをぴったり貼ります。カットが少し短くても、端切れを継いで面を埋めれば無駄なく使えます。

ここでマグネット刺繍枠を使った運用を想定する人もいますが、本件は粘着式+クランプの組み合わせで安定を確保しています。
3.2 デザインの位置合わせと固定
デザイン紙の縦線と、Fast FrameのVノッチ(上下)を一致させ、ポケット中央に十字が来るように合わせます。指でフレームの金属端をなぞり、刺繍が当たらない位置かを確認してから、粘着面へやさしく押さえます。

たるみが出ないよう、クランプやバインダークリップを底部・左右に配置して面をフラットに整えます。強く引っ張らず、自然に平らへ誘導する程度で十分です。
3.3 マシン搭載・トレース・刺繍
Fast FrameごとRicoma EM-1010へ搭載し、ゆっくり押し込んでクランプ干渉がないか確認します。針のセンター合わせとデザインのトレースを実施し、金属や厚み部分に当たらないことを確かめてからスタート。

刺繍中はバックパックの嵩が動線にかからないよう手で管理し、完了後は粘着式ティアアウェイを優しく剥がし、ジャンプステッチをカットします。

期待する中間結果:トレースで外周が金属枠に触れない/縫製中に生地が滑らない/完了後の裏面がきれいに剥がれる。

注意:クランプが針道や押さえの可動域に入り込まないよう、配置後に必ず再確認しましょう。
チェックリスト(Fast Frame)
- 粘着面にシワ・浮きがない
- Vノッチと十字線が一致
- クランプで面が平ら
- トレースで干渉なし
- 完了後に粘着をきれいに除去
4 PE800で名前をフローティング刺繍する
PE800の5×7枠にティアアウェイを張り、枠に描いた十字線とデザイン紙のクロスヘアを突き合わせて、ポケットを「浮かせて」貼り込む方法です。

4.1 Fast Frameが使えないときの判断
Fast Frameが小さくデザインが入らない場合、単針機の標準枠へ切り替えます。今回はPE800画面に「サイズ超過」が表示されたため、フォントを0.75インチに縮小して適合させました。ここでbrother 5x7 マグネット刺繍枠を使う選択肢も考えられますが、動画ではティアアウェイ+バスティングで安定を確保しています。
4.2 5×7標準枠の準備とバスティングスプレー
ティアアウェイをフーピングし、アクリル定規で縦横のセンター線を引きます。バックパックは裏返して前ポケットを露出させ、デザイン紙をピン留め。バスティングスプレーを枠のティアアウェイへセクションごとに吹き、ずらさないよう慎重に上から貼り込みます。

コメントから:スプレーを回避する代案として「5×7枠に粘着式を使えば良いのでは?」という指摘があり、作者は「その発想が出なかった」と返信しています。運用現場では、刺繍用 枠固定台と粘着式の組み合わせでスプレーを減らす選択も実務的です。
4.3 センター合わせとフローティングの貼り込み
枠の十字線とデザイン紙のクロスヘアを上下左右で一致させ、ねじれのない位置で圧着します。貼り込みは一気に行わず、水平・垂直の直線を保ちながらセクションごとに。余った本体はクランプで保持し、縫製域へ乗り上がらないよう管理します。

ここでhoopmaster 枠固定台があると、枠の水平保持と再現性が高まり、ポケットの貼り直し回数を抑えられます。
4.4 マシン搭載・最終位置決め・刺繍
枠をPE800へ装着し、押さえとニードルプレートの間を通しながら干渉なく入れます。針位置をクロスヘアの中心へ合わせ、パネルの移動・プレビューで範囲を点検。クランプは針道や押さえの可動域に入っていないか再確認してから縫製開始します。

刺繍完了後は枠から外し、ティアアウェイを優しく剥がしてジャンプステッチを処理します。単針でもバックパックは十分対応可能であることが実作例で示されています。

注意:PE800のテンション値は動画・コメントで具体提示がありません。標準から開始し、縫い目のバランス(表裏の引き合い)で微調整してください。

チェックリスト(フローティング)
- 枠の十字線とクロスヘア一致
- スプレーはセクションごと、シワなし
- 余った本体はクランプで保持
- 針位置とプレビューでセンター確定
- 完了後の裏処理と糸始末
5 品質チェックの要点
・位置精度:十字線とVノッチ(もしくは枠線)にズレがないか。 ・縫い肌:ステッチ密度の潰れや浮きがないか。オレンジ糸の連続性がきれいか。 ・裏側:ティアアウェイがきれいに剥がれ、残糸が整理されているか。 ・干渉:クランプ跡や金属接触による傷がないか。
クイックチェック:トレースで金属端から1〜2mmでも離れていれば、実走行中の微振動で当たるリスクは低減します。
プロのコツ:枠や押さえの汚れは、コメントではリムーバーやクリーナー(例として紹介されているもの)で落ちるとの助言がありました。化学薬品の使用可否は各枠の材質とメーカー指示に従ってください。
6 仕上がりと引き渡し
肉球も名前も、オレンジの発色とステッチの均一性が際立つ仕上がりです。名前は0.75インチへ縮小したことで、前ポケットにバランスよく収まりました。最終の裏処理で糸残りを除去し、外観・手触りを最終確認して完了です。
ここでmighty hoop マグネット刺繍枠を導入できる環境なら、厚物バッグの保持がより安定し、再現性の高いセッティングが期待できます。
7 トラブルシューティングとリカバリー
症状:デザインが枠に収まらない/マシンに「大きすぎる」と表示
- 可能原因:枠サイズ範囲外、向き設定違い、余白不足。
- 対処:デザイン縮小(例:1インチ→0.75インチに変更)、向きや配置の再点検。
症状:縫い中に生地が動く、位置がズレる
- 可能原因:粘着力不足、クランプ不足、押さえやパーツへの干渉。
- 対処:バスティングをセクション分けで追加、クランプを増やす、干渉物をどける。
症状:フレームやクランプに針が当たりそう
- 可能原因:トレース不足、開始位置の誤差。
- 対処:必ずトレースし、開始点と外周の余裕を確認。
症状:縫い目バランスが悪い(表裏の引き合いの乱れ)
- 可能原因:テンション不適正。
- 対処:標準値から微調整。具体的な数値は動画・コメントに記載なし。
症状:表面にシワ・パッカリング
- 可能原因:貼り込み時の歪み、安定剤選択の不一致。
- 対処:セクションごとに貼る、粘着式やスプレー量を見直す。
ここでマグネット刺繍枠 brother 用の運用では、枠自体の保持力が高く、バスティング量を抑えやすい一方、磁力と金属部の位置関係をトレースで必ず確認してください。
8 コメントから学ぶ実用ヒント
- 針サイズ:75/11(作者回答)。
- テンション:具体設定は不明(作者回答)。目視で縫い目バランスを見て調整を。
- PE800の社外枠:スナップイン不具合の報告あり。適合確認を徹底。
- スプレー代替:5×7枠へ粘着式を使う提案あり(作者は「思いつかなかった」と返信)。
- 枠のメンテ:汚れ落としのアイデアが複数寄せられたが、使用は自己判断で素材・指示に従うこと。
- 単針機の可能性:バックパックでも十分対応可能との実体験コメントが複数。
ここでricoma mighty hoops マグネット刺繍枠のような強力保持の選択肢があると、袋物の安定度が上がり、位置決めの再現性が高まります。
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決断の枝分かれ(本稿で根拠が示された範囲)
- Fast Frameのサイズが足りない → PE800の5×7へ切替、必要なら縮小。
- スプレーを避けたい → 粘着式ティアアウェイを5×7枠に使用(コメントからの代案)。
- バックパックの嵩が邪魔 → 裏返してポケットを表に出し、クランプで余剰を固定。
ここでマグネット刺繍枠 brother pe800 用 マグネット刺繍枠を導入する場合でも、クロスヘアの一致とトレースは不変の基準です。
まとめのクイックチェック
- 目標サイズに収まる(必要なら縮小)
- 十字線・Vノッチ一致→トレースで干渉なし
- 粘着/バスティングはセクションごと
- クランプは可動域外、折り込みゼロ
- 裏処理と糸始末で仕上げ
最後に、マグネット刺繍枠 11x13のような大判磁力枠を使える環境なら、将来的により大きなデザインへの拡張が容易になります。現場の実情に合わせて枠・安定剤・固定方法を柔軟に選び、再現性の高いフローを自分の定番として磨いていきましょう。
