プロ仕上げのITHファスナーバッグ(SDS1505)完全ガイド:キルトあり/なし両対応

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プロ仕上げのITHファスナーバッグ(SDS1505)完全ガイド:キルトあり/なし両対応
水溶性安定紙を枠張りし、ガイド線に沿ってファスナーを正確に固定。表裏の生地と(必要に応じて)薄手のキルト綿を重ね、キルトあり/なしを選べます。仕上げは独自の“二度ひっくり返す”ターンで縫い代を完全に内側へ隠し、内側にも外側にも縫い目が出ないプロ仕様のバッグに。Tシャツ生地などのストレッチ素材でもふっくらとしたロフトを得られ、コットンとの比較ポイントも解説します。この記事だけで設計→配置→縫製→仕上げまで迷わず完成できます。

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Table of Contents
  1. プロジェクトの概要
  2. 準備するもの
  3. セットアップの要点
  4. 手順:ステッチから縫い合わせまで
  5. 仕上がりチェック
  6. 完成とお手入れ
  7. トラブルシューティングと回復手順

1 プロジェクトの概要

このプロジェクトのゴールは、キルトあり/なしを選べるITHファスナーバッグを、見返しも縫い代も見えない“二重ターン”で仕上げることです。最初に水溶性の安定紙(バイオリン系)を枠張りし、ガイド線を縫ってからファスナーを所定位置に固定。続いて表裏の生地と薄手のキルト綿(表のみ)を重ね、必要に応じて全面キルトを施します。最後に背面パネルで全層を閉じ、縫い代を内側層に挟み込んだまま二度のターンで完成させます。

1.1 いつこの方法を選ぶか

  • 仕上げに縫い代を出したくない場合。
  • ファスナー周りの直線性と見映えを重視する場合。
  • ストレッチ生地でふっくらとした表情(ロフト)を作りたい場合。
  • キルト模様で質感を加えたい場合(または無地でミニマルに仕上げたい場合)。

1.2 適用範囲と注意点

  • 5x7枠の例では、生地は6x8インチ程度にカットすると余裕があって安全(動画より)。他サイズの詳細寸法は動画では具体的に示されていません。
  • 厚手すぎるキルト綿は返しが困難になります。薄手を選ぶこと。

- キルトなしで作る場合は、キルト工程をスキップできます。

Water-soluble stabilizer in embroidery hoop
A rectangular embroidery hoop with water-soluble stabilizer hooped tautly, ready for the machine embroidery process.

2 準備するもの

  • 刺繍ミシンと刺繍枠(例:5x7)。ガイド線を正確に縫えることが必須です。刺繍ミシン 用 マグネット刺繍枠を使う場合も、安定紙のピンとした張りが決め手になります。
  • 水溶性安定紙(バイオリン系):後で開口部や全体を洗浄して溶かし、ソフトな風合いに仕上げます。
  • 生地:
  • 表・裏用:Tシャツ生地(薄手のニット)やキルティングコットンなど。
  • Tシャツ生地は薄くてもロフト感が出やすく、ふっくら仕上がりに向きます。
  • キルト綿:薄手。表側のみ使用します。
  • ファスナー:中央ガイド線に合わせ、左右に約1インチ余裕を持たせる長さ。
  • 糸:上糸/下糸。キルト時はボビン糸を上糸と同色にすると両面が美しく揃います。
  • 仮止め用:スティッキーテープ、または505スプレーなどの一時接着剤。

- はさみ、アイロン、(返し出し用の)丸先ツールなど。

Embroidery machine with hooped stabilizer
The Brother Innov-is XV embroidery machine with the hooped water-soluble stabilizer attached, ready to begin stitching the design.

クイックチェック

  • 安定紙はシワやたるみなく枠張りできていますか?
  • ファスナーのスライダーは縫い経路に入らない位置ですか?
  • ボビン糸はキルト時、上糸と同色に切り替える準備がありますか?

プロのコツ

伸縮素材やポリエステル基布ではテープだけではずれることがあります。コミュニティでも「テープだけ」派の意見がある一方、作者は505スプレーを好んでおり、滑り止めとして有効とのことです(コメントより)。マグネット刺繍枠と相性のよい一時接着を少量使えば、層がズレにくくステッチが安定します。

Embroidery machine stitching outline
The embroidery machine's needle stitching the initial rectangular outline onto the water-soluble stabilizer, marking the bag's dimensions.

3 セットアップの要点

3.1 デザインと枠張り

1) 作品データ(SDS1505)をミシンに読み込みます。2) 水溶性安定紙を1枚、枠にピンと張ります。3) 枠をミシンにセットし、最初のアウトラインを安定紙にステッチして“ガイド線”を作ります。ここで歪みがあると以降の位置決めが乱れるので、必要なら張り直します。

ここまでで、バッグ輪郭とファスナー用のセンターラインが準備できました。マグネット刺繍枠 brother 用を使う場合も、張力が弱いと線が波打つため、まずは安定紙の張りを最優先に。

Placing zipper on stitched outline
Hands carefully placing a pink zipper onto the stitched outline on the stabilizer, aligning its center with the guide line, and securing it with sticky tape at the ends.

3.2 ファスナーの位置決め

  • センターラインにファスナーの歯(中心)をぴったり合わせ、スライダーは縫い経路の外へ避けます。
  • 両端は約1インチ外側まで届く長さが望ましいです。

- テープまたは505スプレーで両端と上下を軽く固定し、次の工程でタックダウンステッチを行います。

Machine tacking down zipper
The embroidery machine stitching along the edges of the zipper, securing it firmly to the stabilizer within the hoop.

注意 スライダーがステッチ経路に入ると、針折れや縫いズレを招きます。縫う直前にもう一度位置を確認しましょう。

3.3 上側の生地(裏→表の順)

  • テープを外し、枠を裏向きにして裏側上部の生地を“表面を下”にして配置。ファスナーのタックラインにかぶせるように置きます。

- 枠を表に戻し、表側上部の生地も“表面を下”にして同様にセット。軽く505で仮止めするとズレ防止になります。ここまでで、上側の裏表生地がガイド線に沿って重なりました。

Placing top back fabric piece
Hands positioning a pink t-shirt fabric piece (right side down) over the top section of the zipper, aligning it with the stitched line on the stabilizer.
Spraying temporary adhesive on fabric
A hand spraying temporary adhesive (505 spray) onto the fabric area in the hoop to help secure the next layer of fabric.

プロのコツ 上側は後で折り返すため、ガイド線に対して“少しの余裕”が効きます。ここでしわがあるとロフトが乱れるので、指の腹でならすか、hoopmaster 枠固定台のような平面サポート上で作業すると整えやすくなります。

4 手順:ステッチから縫い合わせまで

ここからは番号付きで、各ステップの目的・要点・仕上がりの見た目を示します。

4.1 ステップ1:初回アウトライン(ガイド)

目的:安定紙上にバッグの輪郭と配置ガイドを縫う。

  • データを読み込み、安定紙のみを枠張りして最初のステッチを実行。
  • 期待される結果:枠の中央に矩形アウトラインとセンターラインがくっきり出る。

- 自己確認:線が波打たず、四隅の角が直角である。

Placing batting on fabric
A hand carefully placing a piece of white batting over the top section of the pink fabric, leaving a small gap near the zipper line.

4.2 ステップ2:ファスナーのタックダウン

目的:ファスナーを正確な位置に仮縫い固定。

  • センターラインと歯を一致させ、テープ等で固定。
  • タックダウンステッチを実行して、両側をしっかり留める。

- 自己確認:スライダーは縫い経路外、両端は十分な余裕。ズレがあればやり直し。

Folding fabric over batting
Hands folding the pink fabric upwards over the batting layer, ensuring it's smooth and flat to cover the batting completely.

4.3 ステップ3:上部の生地を重ねる(裏→表)

目的:上半分の裏表生地を所定線で折り返す準備をする。

  • 枠裏面から裏生地(表面を下)をガイド線にかぶせて配置。
  • 枠表面から表生地(表面を下)を配置。
  • タックダウンで固定。

- 自己確認:両生地がラインを十分に覆い、シワや波打ちがない。

Placing batting on bottom fabric section
A hand positioning a piece of batting on the bottom section of the pink fabric, preparing it to be folded over.

4.4 ステップ4:上部のキルト綿(表のみ)と折り返し

目的:ロフト感を出す準備。

  • 表面上部に薄手キルト綿を配置(ファスナー際は厚みに応じて約3mm開けると返しが楽)。
  • 505を軽く吹き、表生地を上方向に折り返して綿を包むように密着。
  • 裏面の裏生地も上方向へ折り上げる(裏は綿なし)。

- 自己確認:ファスナー際がふくらまず、平滑に折り上がっている。

Folding bottom fabric over batting
Hands folding the bottom pink fabric upwards, covering the batting layer to prepare for the quilting stitch.

4.5 ステップ5:下部も同様に(→キルト)

目的:下半分も同じ構造に整え、キルトを実施。

  • 下部の表裏生地をセットし、表側のみ薄手綿を追加、折り返し。
  • ジャンプステッチがあればこの時点でカット。
  • キルト開始前にボビン糸を上糸と同色へ変更(両面の見映えを揃えるため)。

- メインのキルトステッチを実行。キルトなしにしたい場合はこの工程をスキップ可能(動画より)。

Completed quilting design on bag front
The pink fabric on the hoop, now fully embroidered with an intricate quilting pattern, showcasing the finished textured design.

期待される仕上がり:表面一面にキルト模様。裏側にも上糸と同色のキルト目が見え、リバーシブル感が出ます。マグネット刺繍枠 brother se1900 用を使うときも、下糸の色合わせによって背面の見栄えが向上します。

4.6 ステップ6:背面パネルの取り付け(必要なら背面も事前キルト)

目的:全層を閉じて縫い代を内側に挟み込む。

  • 背面もキルトにしたい場合は、あらかじめ別布にキルト模様をステッチしておき、それを“表を下”にして重ねます。
  • 重要:ここでファスナーを“半分だけ開ける”。後の返しのために必須です。

- その上で背面パネル布(今回はプレーン)を“表を下”にして重ね、最終アウトラインで全周をタックダウン。

Opening zipper halfway
Hands partially opening the zipper on the quilted fabric, a crucial step to allow for turning the bag inside out later.
Placing back lining fabric
Hands placing the final piece of pink patterned fabric (right side down) over the back of the hooped design, which will form the lining.

コメントから 「背面のキルトは別ファイルで先に刺す」点は動画内で触れられており、コミュニティでも“先に背面を作ってから前面を進める”という運用が共有されています。背面に専用の小円キルトパターンが含まれている旨の作者コメントもあります。

4.7 ステップ7:トリム→第一返し→開口閉じ→第二返し→洗浄と整え

目的:縫い代を完全に内側へ隠し、プロ仕上げに。

  • 枠から外し、二重ステッチの外側を“角はより近く”でトリム(ただし底部の開口部は2〜3mm残す)。
  • 底の開口から“最も遠い角”を先に押し出す要領で、包みのように第一返し。
  • 開口部の縫い代を内側へ折り込み、手縫いかミシンの直線で控えめに閉じる。
  • 次にファスナー側の水溶性安定紙を裏からクリップで開け、ファスナーを全開。ここから“第二返し”を行い、全体を表向きへ。

- 残る水溶性を洗浄で溶かし、アイロンで落ち着かせて完成。

Close-up of double stitch line
A close-up view of the double stitch line around the bag's edge, indicating where to trim the excess fabric for a clean finish.
Turning bag inside out for the first time
Hands beginning to turn the trimmed bag inside out through the bottom opening, carefully pushing the corners to define the shape.

プロのコツ 角を出すときは、丸先ツールで“縫い目を突かない”力加減が重要。マグネット刺繍枠 11x13など大きな枠で作業スペースが広い場合でも、角は丁寧に少しずつ押し出してください。

5 仕上がりチェック

  • 角:四隅がきれいに立ち、角の縫い目が突き破れていない。
  • ファスナー:動きがスムーズで波打ちがない。
  • 表面:キルト目が均一。キルトなしなら生地の張りが揃っている。
  • 内側:縫い代やロウエッジ(切り端)が見えない“無縫い目”状態。二度返しの成果が出ている。
  • 糸色:表裏で色ズレが気にならない(ボビンを同色に変えた効果)。

クイックチェック 洗浄後に水溶性の残りがないか指先でなで、ぬめりやハリ感があれば再度すすぎます。乾燥後は軽いスチームで整え、ファスナー周りの波打ちを抑えましょう。

Comparison of quilted stretch and cotton fabrics
A close-up comparison of two finished zipper bags, one made with stretch t-shirt fabric and the other with quilted cotton, highlighting the different loft and texture effects achieved.

6 完成とお手入れ

完成品は、ストレッチ素材ではふっくらしたロフト感、コットンではすっきりとした面構えが楽しめます。動画でも示された通り、Tシャツ生地でも十分に立体感が出せ、スキューバ生地に近い印象を得られます。仕上げ後は、

  • 水溶性安定紙を十分に溶かし、乾燥させる。
  • アイロンで縫い目を落ち着かせ、外周のラインをシャープに。
  • 保管時はファスナーを半開にして形を保つとよいでしょう。

コメントから “背面もキルト”にする場合は、前面に進む前に別布で背面キルトを作っておくと、境界の合わせがきれいに揃います(視聴者の実践例)。ズレを避けるため、縫い合わせ前のアライメントを丁寧に行ってください。

7 トラブルシューティングと回復手順

症状→原因→対処の順で整理します。動画とコメントに基づく範囲で記載します。

  • 症状:返しで角がうまく出ない/生地がつっぱる。
  • 原因:トリムが甘い/角の余分が残りすぎ/綿が厚すぎ。
  • 対処:角は二重ステッチの外側を“ギリギリまで”トリム。綿は薄手にし、ファスナー際は数mm余裕を空ける。
  • 症状:ファスナー周りが波打つ。
  • 原因:センターラインと歯のズレ/折り返し時のしわ/仮止め不足。
  • 対処:タック前に必ず再位置決め。505スプレーを“最小量”で均一に。仮止めは上下2〜4点で面を作る。
  • 症状:糸切れが多い。
  • 原因:上糸・下糸の色替えやテンションが不適/生地の層が厚すぎ。
  • 対処:キルト前にボビンを上糸と同色へ交換し、通りを確認。層が厚い場合は綿を薄くする。糸番手・針は動画では具体値不記載のため、通常使用の範囲で様子を見る。
  • 症状:内側の片面しか裏地がつかないように見える。
  • 原因:背面パネルの重ね順や第一返し後の処理の混乱。
  • 対処:最終アウトライン前に“背面パネルを表を下”で全面に重ねる→外周を縫う→第一返し→底開口を閉じる→ファスナー側の安定紙を開けて第二返し。この順により、縫い代は層間に挟まれ見えなくなる。
  • 症状:背面もキルトにしたい。
  • 原因:前面と同時に背面をキルトしようとすると境界合わせが難しい。
  • 対処:背面は“先に別布でキルト”しておき、最終重ねの段階で表を下にして合わせる。作者コメントでも、背面用の小円キルトが含まれる旨が示されています。
  • 症状:水溶性が残る/べたつく。
  • 原因:洗浄不足。
  • 対処:ぬるま湯で再度すすぎ、完全に乾燥。ファスナー裏側も丁寧に。

注意 テープのみ派の意見もありますが、伸縮素材ではテープの粘着が勝てずにズレる事例も。505スプレーの“点付け”を併用すると、マグネット刺繍枠使用時でも面圧が上がり、ステッチが安定します。

7.1 よくある分岐判断

  • キルトありにする?→ロフトを強調したい/表面の傷みを分散したいなら“あり”。フラットでミニマルにしたいなら“なし”。
  • 背面もキルト?→境界合わせに時間を割ける、または全面の統一感を優先するなら“あり”。時短と軽さ優先なら“なし”。
  • 安定紙は?→動画では“水溶性”を使用。薄手のティアアウェイ代替はコメントで質問がありましたが、動画内では推奨・可否の明言なし。

7.2 コミュニティから

  • サイズの生地カット:5x7の目安(6x8インチ)は動画で言及。その他サイズは製品付属のPDFに一覧がある旨がコメントで共有されています。
  • 追加アレンジ:モノグラムの追加タイミングは動画で具体説明なし。一般論としては、前面のキルト前に配置→その上からキルトを重ねると段差がなだらかになりやすいですが、本件の詳細は明記されていません。

7.3 仕上がりの比較所見

Tシャツ生地(ストレッチ)ではロフトが強調され、スキューバに似た“ぷっくり感”。一方でキルティングコットンは面が整い、模様がシャープに見えます。用途や好みに応じて選択すると良いでしょう。マグネット刺繍枠 brother 用対応の枠であっても、素材選びの差は明確に出ます。

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補足:枠・治具に関するメモ

  • 枠入れの再現性が重要なら、位置決めの下地として刺繍用 枠固定台やガイドを用意すると段取りが早くなります。
  • 他社機を使う場合は、対応枠(例:janome mc400e 刺繍枠など)の寸法に合わせて生地余白を調整してください(動画では具体寸法の網羅提示なし)。